Helen社は新しい木質ペレット加熱プラントによって気候中立的な方法でエネルギーを生産

ヘルシンキ市が完全所有し全国に 50万人以上の顧客を抱える Helen社は、2035年までにエネルギー生産において 100%カーボンニュートラルを達成することを目指している。Salmisaari工場にある新しいペレット燃焼加熱プラントにより、Helen社では再生可能な地域熱生産量を大幅に増やすことができる。

「私たちの古い石油火力のピーク負荷加熱プラントはライフサイクルの終わりに近づいており、最新化あるいは交換する必要がありました。当社の目標はカーボンニュートラルなエネルギーシステムであるため、再生可能エネルギーで稼働する新しいプラントを選択することに決めました。」と Helen社 プロジェクトマネージャー Aleksi Nurmi氏は述べている。

Salmisaariの敷地は狭く、たとえば、ペレット焚きプラントは木材チップで稼働するプラントよりも必要となる保管スペースが少なくて済む。「さらに、Salmisaari B発電所ユニットではペレットを石炭と燃焼させてきたため既にペレット受け入れシステムと貯蔵サイロがあり、投資が容易になりました。」

プラント一式を納品できるサプライヤーからのターンキー方式での納入が絶対に必要でした。

フィンランド最大のペレット焚きボイラー

バルメットは公開入札プロセスを経てボイラープラント供給のために選ばれた。「候補の中で、バルメットを信頼できる優れたサプライヤーと見なしていました。同社とは以前にも協力しており、バルメットがそのようなソリューションを提供できることを知っていたからです。」と Nurmi氏は指摘する。「木粉の燃焼が難しいことを知っていたので、プラント一式を納品できるサプライヤーからのターンキー方式での納入が絶対に必要でした。」

Hammer工場では木質ペレットを細かく粉砕する。効率的で安定した燃焼を実現するには、すべての木粉粒子が 1 mm未満である必要がある。

バルメットの納入範囲には、既存の貯蔵サイロからの燃料コンベヤ、木質ペレットの粉砕および木質粉塵装置、温水ボイラー、および排ガス洗浄用のバグハウスフィルターが含まれていた。また、バルメットはプラントの建設と電化を担当し、既存プラント全体の Valmet DNA自動化システムと統合された Valmet DNA自動化システムを供給した。

100メガワット（MW）の燃料容量と約 92 MWの地域熱供給を備えたペレット焚きボイラーは、この種類ではフィンランド最大である。このプラントが生成する地域熱の量は、ワン・ベッドルームのアパート 25,000部屋の暖房ニーズを満たすのに十分である。

都市周辺にあるプラントは、効率的な粉じん排出制御を必要とする。Pesonenによると、バグハウスフィルターのおかげで、プラントの粉塵排出量は非常に少ないレベルである。

「プラントの性能に非常に満足」

新しいボイラープラントは 2017年後半にスタートアップした。初めての暖房期の間、ペレットの粉砕が予想よりも複雑であることが判明し、バルメットは 2018年春に一部の技術コンポーネントの変更を決定した。これらの挫折はプロジェクトを長引かせ、当初の計画で想定されてはいたものの引き渡しが延期となった。

「課題はありましたが、プロジェクト中のバルメットとの協力は良好であり、すべて理解することができました。バルメットは信頼できるサプライヤーであることが証明されており、私たちの期待に応えています。」と Nurmi氏は述べている。

性能テストは 2019～2020年の暖房期中に実行された。「すべてのプラント保証値を達成することができ、テスト結果とプラント性能に非常に満足しています。」と Helen社のプロセスエンジニア Sami Pesonen氏は付け加える。

バルメットの話も聞いてみよう。「これは長期にわたりやりがいのあるプロジェクトであり、その期間中、ペレットの燃焼について多くの新しい知識を得ることができました。決してそのまま放置することはなく、私たちは最後まで責任を持って納入しました。」とバルメットのペレットプラント担当プロダクトマネージャー Jouni Valtatieはコメントする。

ネットワーク全体の最適化に向けて

2019年、バルメットと Helen社は、フィンランドのヘルシンキにある Helen社の地域熱供給やネットワーク向けの最適化ソリューションの提供に合意した。最適化は、Helen社がエネルギー生産において 100%カーボンニュートラルを達成するための 1つの手段である。Valmet DNA District Heat Managerは、単一のソリューションで地域熱の生産、消費、および移送の管理を可能にする。「伝送遅延や温度を予測する最適化システムは、より最適に使用できるため、地域熱ネットワーク全体のエネルギー効率を向上させます。この操業モデルの変更によりエネルギー調達コストが削減され、その結果、排出量が削減されます。」と Helen社のグループリーダー MiikaLindholm氏は述べている。

新しいペレットプラントの構造は、古いSalmisaari発電所の建物とうまく調和している。

Göteborg Energi社が、バルメットの技術に基づいて Gothenburgにさらに大規模なペレット燃焼地域熱プラントを建設していることをご存知だろうか？ ボイラーの燃料容量は 130 MWになる。

本文　Marjaana Lehtinen