南アフリカでの持続可能な新たな製品の誕生

Ngodwana工場は南アフリカ Mpumalanga州 Nelspruitの北西約 50 kmに位置している。工場周辺は水が豊富にあるわけではないこともあり、非常に厳しい環境規制を課せられている。煤煙、用水量、排水量、固形排出物そしてエネルギー回収を通常、工場では管理をしている。新しいファイバーラインは清水原単位を可能な限り最小とする設計を行い、実際の操業では全世界の紙パルプ一貫工場としてはトップの 5%に入れるようなパフォーマンスを示している。

挑戦と斬新なソリューション

斬新なプロセスとその実行が必要とされていた。また、プロジェクトは急を要した上に、多くの要求が含まれたものだった。例えば、Ngodwana工場の製品は SP 蒸解をしている Sappiのサイコール工場の製品と社内で相互に置き換えができるようにしなければならなかった。また、ファイバーラインは ECF、TCF のスイッチング操業が求められ、さらには DP と KP のスイッチング操業も必要であった。

「今日、我々はさまざまな漂白シーケンスや多くの異なる品質を持った製品の製造が可能なフレキシブルなプロセスを手にしました。我々が必要とすれば、漂白初段は酸加水分解段に切り替えが可能で、最終段は加水分解段に切り替えられ、TCF 漂白を行うことができます。」と Ngodwana工場 技術サービス部長の Hunphrey Landman氏は話す。

加えての難題は多くの進行中のボイラープロジェクトを抱えていたため、経験のある建設要員が不足していたことであった。この結果、多国籍間のプロジェクト管理と多国籍建設チームが求められた。さらに操業スタッフにも大きな負担がかかっていた。それはバッチ蒸解と前加水分解とクラフト蒸解を組み合わせたバルメットのバッチプロセスは、工場にとって全く新しい技術だったからである。

蒸解工程で品質パラメータを固定

既設の木材処理工程は新たにコンベヤとチッパーを増強し新しいバッチ蒸解プラントに原料を供給している。溶解パルプ工程においては蒸解プロセスは極めて重要な存在である。ほとんどの品質パラメータがここで決定される。溶解パルプ工程では木材からヘミセルロースを取り除くために前加水分解工程が加えられている。エネルギーバランスは清水原単位を最小とするべく設計され、さらには排熱を最大限利用できるように考慮されている。

環境負荷低減と低い用水原単位

洗浄工程は TwinRoll TRPEプレス洗浄機で構成されている。酸脱前にプレス洗浄機が2台。酸脱後にプレス洗浄機が2台である。プレス洗浄機をベースとした洗浄工程は清水の使用を最小限にするには最適な洗浄機である。

「我々はプレス洗浄機のパフォーマンスには非常に満足しています。パルプの白色度は高く、洗浄ロスが少ない、加えて、我々の期待する粘度を保てています。プレス洗浄機のメンテナンスに手をかける必要がなく、トラブルもありません。我々は当初の目的としていた低い用水原単位が達成でき、満足しています。」と Landman氏は話す。

漂白工程の洗浄機も TRPEタイプで構成されており、高濃度オゾンリアクター前の洗浄機だけは TRPZ が採用されている。塩素系漂白剤に代わりオゾンを漂白工程で使用することにより、より多くの排水中への溶解物質のリサイクルが可能となり、漂白工程からの排水負荷が下げられた。

回収系では清水の代わりにエバのコンデンセートを使用することにより、用水原単位を低減することができた。苛性化工程は白液として 5500 m3/日の処理量へ増強され、黒液濃縮工程では 550 t/hの蒸発量を達成できるようになった。改造にはコンデンセートのストリッピングシステムも含まれており、この改造によりコンデンセートの品質改善が得られた。

Ngodwana工場のNo. 2回収ボイラーは固形分で 1850 t/日から 2200 t/日へと増強され、2段の AshLeachingシステムが導入された。この AshLeaching によりぼう硝の放出を減らすことができた。

将来は明るい

フレキシブルな操業が可能な効率的な技術を選択したことにより、環境負荷を低減させた上に高品質のパルプの製造が可能となった Ngodwana工場の未来は明るい。

「環境負荷を改善したばかりではなく、このプロジェクトは工場の可能性を広げました。このプロジェクトで臭気の改善が達成され、また新しい機器により効率性が改善されました。つまり、石炭の使用が減らせたのです。これは CO2排出量で 120,000 t/年の削減となります。工場からの全体的な環境影響を低減することができます。」 Landman氏は結論付けた。

溶解パルプは Sappiの本職

· Ngodwana工場の近代化、増産のプロジェクトは2011年に始まった。このプロジェクトは 210,000 t/年の溶解パルプ製造プラントの建設も含まれていた。バルメットは新しい蒸解プラント、ファイバーラインの主要機器を受注した。さらに木材ハンドリング、苛性化、黒液濃縮工程の改造と AshLeachingシステムも受注した。

· 今日、Sappiは南アフリカの2工場; Ngodwana工場、Saiccor工場そして北米の Cloquet工場を合わせて世界最大の特種セルロース製造メーカーとなった。

· Sappiの溶解パルプは主には服飾用ビスコース用に使われている。

 

あなたが着ている洋服は木材から作られていることを知っていましたか?

木材からの溶解パルプは織物、包装用セロファン、調剤用、そして家庭用製品といった広範な川下製品に使用されている。

ビスコース、レーヨ ンそしてモーダル(レーヨンの一種)はすべて溶解パルプから作られている。そしてそれらはファッションや装飾用織物となり、ソフトでナチュラルな特徴を持 ち、通気性にも優れている。合成製品にはない特性として、自然で、再生可能な資源からこれらのファブリックは作られている。