優れた苛性化用フィルターファブリック

2016年1月22日金曜日

革新的な苛性化用フィルターファブリックは、パルプ製造での必要性によって生まれたものである。

お客様が苛性化装置を導入する際、その最も汚れの激しい部分で仕事をするのは、バルメットのフィルターファブリックである。自社内の R&D、ラボテスト、独自製品によって、バルメットは苛性化フィルターファブリックの開発者であり製造者であるリーディングカンパニーである。「私たちの技術者は、業界においてノウハウを提供するろ過装置のリーディング・サプライヤーと、常に仕事をするという前提を持っています。」とバルメットのシニアセールスマネージャー Antti Mäkinenは続ける。「この協力体制は今後も続くでしょう。私たちの歴史には多くのチャレンジと成功がありましたが、優れた品質のフィルター・ファブリックサプライヤーとしてのバルメットの役割は、変わりがありません。」

フィルターファブリックでの効率的な苛性化

様々な製品やフィルターが、パルプ製造の苛性化プロセスで使われてきた。緑液、白液、ライムマッドのろ過品質は、効率的にろ過を行い蒸解薬液を回収するフィルターファブリックの能力に大きく依存する。「増加する生産能力に伴う高い要求は、苛性化フィルターファブリックに対する挑戦であることを意味します」 とAnttiは述べる。

今日、最も多く使用される苛性化向けフィルターは、ディスクフィルター、ドラムあるいはチューブフィルターである。ディスクフィルターは約 200から 300のフィルターバックとセクターで構成される。各々のフィルターバッグには、ライムマッドから高い清澄度で白液をろ過し、かつ優れた機械的耐久性を有することが求められる。バックには非常に厳しい環境(高いプロセス温度・強力な薬品・機械的ストレス)に耐える性能が求められる。これらを備えた上で、フィルターは優れた品質の薬液を得るために、高い清澄度を達成しなければならない。

「出発点は、最良のろ過性能を達成するために、さまざまなアプリケーションにおいて最も適したファブリックの構造を持つことにあります。同時に、お客様にとって最もコスト的に有利なものを見出す必要があります。」と Anttiは説明する。ライムマッドのろ過におけるキーファクターのひとつは、分離されたライムマッドの乾燥度が、焼成プロセスにおいて理想的な状態であることである。もし水分を2-3%でも低くできれば、ライムキルンでケーキを燃焼させる時、エネルギーの使用を下げることができる。「3%の違いでも、工場にとっては大きな省エネになります。」と Anttiは話す。

バルメットは苛性化工程のあらゆる段階におけるフィルターファブリックの開発者であり製造者であるリーディングカンパニーである

コストセーブの様々な取組み

お客様は、目詰まりの問題を起こすことなく、フィルターファブリックの寿命が長くなることを求める。「酸洗は、ファブリックの目詰まりをもたらす固形物を取り除くための方策です。これは、装置を停止させ生産時間を減らし、メンテナンスコストを上昇させ、腐食性の薬品はファブリックを傷めるかもしれません。これらのすべてがコストに影響を与えます。当然、すべてのお客様はこれらのすべてを避けたいと考えます。」と Anttiは話す。ファブリックの開発においては、操業における信頼性について注力している、とアンティは述べる。バルメットのフィルターファブリックは、苛性化工程において常に各々のろ過工程に適合するよう設計されている。

「私たちのゴールは不具合による休転を最小にすることにあります。正しい方策は工場でお客様の声を聞くことによって見出されます。バルメットの利点は地域的なサービスを提供できることにあります。」と Anttiは続ける。バルメットはドラム面長 12 mのファブリックを製造できる唯一のサプライヤでもある。「これは、シーム無しですべてのマシンにファブリックを提供できることを意味します。シームレスのフィルターファブリックは、磨耗する部分を少なくする点で、何倍も強く、耐久性があります。」

ろ過容量10%アップ

バルメットの伝統的なコンセプトは、次の世代のフィルターファブリックを作ることである。現在求められているものは処理容量の増加と機械的負荷の増加への耐久性だが、共通のゴールは、お客様にとって時間をセーブする簡易かつ素早い装着が可能なファブリックの開発である。

「私たちは、変化する要望を、既存のフィルターファブリックを最適化することによって応えてきました。」と Anttiは言う。私たちは、苛性化フィルターファブリックの開発が次に求められているものだと結論した。白液ディスクフィルターの two-in-oneファブリックがそれである。

「私たちの挑戦は、品質や信頼性を損なうことなく、改良された製品を開発することでした。私たちは、フィルターバッグとアンダーワイヤーを機能的に統合した構造にするよう、糸、材料など製品すべてに注力しました。」と Anttiは説明する。特許である two-in-one構造は、厚みのあるサポートワイヤーが、ファブリックの底部に縫いこまれており、一層構造のファブリックに、2層構造と同じような特徴を与えている。

「サポートワイヤー構造は、ファブリックのセクターへ全面的な接触を防ぎ、ろ過性能を 10%まで増加させます。」と Anttiは言う。従来のディスクフィルターファブリックと比較した場合、two-in-one構造のファブリックは価格競争力があり、装着が簡単である。「私たちの製品開発の目標はこの製品に集約させることができました。バルメットは、より耐久性があり効率的かつ信頼性の高いファブリックの開発を、これからも続けていきます。バルメットは苛性化工程に要求されるすべてのフィルターファブリックを供給できる唯一のサプライヤです。私たちの製品は市場にあるすべてのろ過装置に適応します。」