2019年4月10日水曜日
品質管理システム(QCS)がその耐用年数に近づいたとき、Neenah Coldenhove社は新しい解決策をバルメットに求めた。2016年に Valmet IQ QCSの立ち上げが抄紙機 PM 1で成功し、翌年、次のシステムである抄紙機 PM 2につながった。
オランダにある Neenah Coldenhove社の製紙工場は、1990年代の終わりにあらゆる種類の硬軟表面に使用可能な昇華型転写印刷用グレードを導入し、非常に大きな成功を収め、世界的な評価を得た。無菌包装用のバリア紙などの他の特殊製品と同様に、転写紙の製造はその最終製品に高い品質が求められる。
Neenah Coldenhove社は小規模の専門メーカーであり、2台の抄紙機で約 2万トンの紙を製造し、世界中に輸出している。
しかし、同社の2台の抄紙機の QCSシステムは耐用年数に近づいていた。必要な保守の増加、予備部品の欠如、および古くなった坪量測定用放射線源などの問題があった。「古いシステムに必要な保守が、非常に多くありました。」Neenah Coldenhove社のプロセスエンジニアである Gert Van Beek氏はそう説明する。
2015年、同工場では Valmet IQ Web Inspection Systemを 2.5 m幅の PM 1設備に設置し、Van Beek氏はとても良い経験をした。「ウェブ検査システムはうまく機能しました。私たちが選んだ他の 2社のサプライヤーよりもバルメットがずっと勝っており、2016年にValmet IQシステムをPM 1設備に設置することを決めました。」
「立ち上げはまったく問題なく、予想以上に順調でした。販売可能な紙がわずか 1時間半で製造できました。翌年、私たちは PM 2設備用に 2台目の QCSを購入しました。これが私たちの評価を物語っています。」Van Beek氏は続ける。
リールの前に設置された Valmet IQ Scannerは、坪量、水分、灰分、キャリパーを測定し、片面スキャナーがグレージングシリンダー前の水分を測定する。機械方向制御には、この 2層機械上の両方のヘッドボックスについて、坪量、水分、灰分、およびジェット/ワイヤー比を含む。
より幅広い 3.5 メートルトリムの PM 2設備に対する 2台目の QCSの設置窓は、はるかに狭かった。「ほとんどのケーブル配線を終了後、週末にリール前へのスキャナーフレーム、グレージングシリンダーに水分用の片面フレーム、塗工機に一点式水分測定装置を設置しました。再び、私たちは数時間以内に販売品質の紙を製造することができました。」Van Beek氏は言う。両方の機械のオペレーターは新しいシステムをすぐに受け入れた。そしてVan Beek氏によれば、「新しいQCSは非常に使いやすいため、オペレーターは2日以内に使用頻度の高い部分の操作に慣れました。」
実験室での結果とスキャン結果とは非常に良く整合していた。「何も変更する必要がないグレードがいくつかありました。それ以外でも、較正前の水分と坪量の最大偏差は約 1%でした。」Van Beek氏が言う。「キャリパー相関がおそらく一番の問題でした。しかし PM 1設備については R二乗相関が 0.99であり、PM 2設備についてはもう少し作業が必要でした。」
Van Beek氏は Neenah Coldenhove社に勤務してすでに30年になる。「私が1988年に工場勤務を始めた頃には、すでに両方の設備で QCSを使用していました。ただし水分の管理はずっと行われていませんでした。管理ではなく、単に測定するだけでした。プリドライヤー、グレージングシリンダー、アフタードライヤーの水分管理は手動で行われ、それぞれのシフトにはシフトごとに独自の調整方法がありました。それ以来ずっと、水分を自動的に制御しようとはしませんでした。しかし今はバルメットのシステムが利用できるようになりました。オペレーターはそれを信頼し、それを使い始めています。PM 2設備のオペレーターはすぐに自動水分調整を利用できるようになり、水分の 2シグマ値は以前の手動調整に比べて 3分の1に減少しました。」Van Beek氏は言う。
Gert Van Beek氏は制御室の操作部で品質プロファイルを詳しく調べている。
Van Beek氏は、問題を特定するとともに、実際にこの機械を正常に運転するために必要な条件を知りたいとも強調する。「私たちは今この機械について多くのことを学んでいます。IQは分析ツールがあり、私たちは将来もっと活用したいと考えています。現在 PM 1装置上のバルメット品質管理システムとウェブ検査システムの両方から、製造実行システムへと、良好なOPC接続が確立されています。毎秒システムから大量のデータを取得し、それを分析に使用します。機械が本当にうまく動いている時、私たちは『指紋』と呼ぶものを取ります。オペレーターが指紋ボタンを押すと、システムから大量の定義済みデータが保存されます。できればシフトごとに少なくとも1回これを行っています。毎月様々なグレードの指紋の平均値を調べ、それらを次回の開始データに利用しています。」Van Beek氏は説明する。
これによってグレード変更が今まで以上に短期間で行うことができる。現在両方の機械を3交替シフトで稼働しているため、週末の停止後、月曜朝の立ち上げが早くなった。PM 2装置については注文が埋まっているため、すでに 4交替シフトに移行し、隔週で生産を継続している。
私たちは紙だけでなく、機能を販売しています。ですから信頼性の高い品質管理が不可欠です。”
「私たちは紙だけでなく、機能を販売しています。ですから信頼性の高い品質管理が不可欠です。バルメットが私たちに提供したのはその品質管理であり、すでに結果をもたらしています。」Van Beek氏は結論付ける。「バルメットのスタッフの対応は早く、必要に応じた変更を厭いません。」
本文と写真: Nigel Farrand
本記事は広報誌 Forward magazine 1/2019に掲載されています。