改良されたリグニン - LignoBoostによる新しいリグニン品質

2018年8月17日金曜日

バルメットの LignoBoostプロセスはさらに発展している。今日、様々な品質のリグニンを抽出することが可能となる新しいコンセプトが開発された。これにより、クラフトパルプ工場にとって、製品の拡充ならびに新しいビジネスへの参画が可能となる。

リグニンは広く研究され、数多くの特許が出願されている。バルメットとそのパートナーは LignoBoostに追加的ないくつかのプロセスを開発した。それにより、クラフトリグニンは多くの異なるかつ興味深い使用に適用した品質で抽出されることが可能となる。

可溶性、スルホン酸塩リグニン

スルホン酸塩リグニンは幅広く使われている製品である。今日の全世界で年間 100万トン以上の生産量に達する。リグノスルフォネートは SPベースのパルプ工場で主に製造されている。従来、ホルムアルデヒドを使用して作られていたが、このプロセスでは作業員や環境へのリスクがあった。バルメットが開発した新しいプロセスではホルムアルデヒドを使用せずにスルホン化することが可能となる。さらに LignoBoostのプロセスで抽出されたリグニンは高い純度を有する。つまり、不純物の含有率が低く抑えられる。これにより分散剤としての使用においてコスト的な効果をもたらす。

低臭気リグニン

バルメットと RISEはリグニンに含まれる臭気成分の 97%を除去できるプロセスを開発した。この技術により、LignoBoostで得られたリグニンの使用の可能性が広がる。例えば、室内向けボード、プラスチック製食器やその他のプラスチック製品である。

バイオ由来の化成品向けの LignoBoostリグニン

バルメットはそのパートナーとリグニンの使用がバイオ由来の化成品のベースとなるべく開発に取り組んでいる。パートナーのひとつはイタリアの BioChemtex社で、Mossi Ghisolfiグループに属している。また、第二世代のバイオ燃料やバイオケミカルの分野においての先進的な企業でもある。BioChemtexの有する技術を使用することによって、リグニンを PETの原料として使用することが可能となる。この製品は合成繊維や食品向けの包装に使用されている。ある報告によると PETの製造量は年間 2,000万トンを超えると言われ、その量はさらに増えると言われている。

さらに前進

リグニンは再生可能で豊富に存在する。推定では KP工場からの黒液には年間 7,800万トン以上のリグニンが含まれ、その一部は付加価値のある製品として市場に出ている。新しいプロセスによりより付加価値の高い製品のリグニンの適用が可能となる。また、CO2排出に関して、リグニンの使用は環境に優しい物資と言える。

 

本記事はバルメット広報誌 Forward 2017年第1号に掲載