スクリーンルーム改造による繊維の回収

2015年9月16日水曜日

Mönsterås工場 技術プロセスマネージャー Karin Dernegård氏(左)とバルメット Annika Zetterlundは、繊維損失の75%削減は収益においてプラスのインパクトを工場に与え、水の使用量も減るため製造がより環境に優しくなると同意する

スウェーデンの Södra Cell社 Mönsterås工場は、世界で最も大きいTCF(トータル塩素フリー)漂白パルプ工場のひとつである。世界中の製紙工場がその顧客であり、高品質のパルプを確実に生産し、そして供給している。Mönsterås工場は、自分たちがN材生産中に毎日4トンのアクセプトされるべき繊維を失っていることに気が付いたとき、この問題の解決法をすぐに探し始めた。

「私たちは明らかに問題を抱えており、この問題についてバルメットと協議したときに彼らのスタッフが私たちにプロフェッショナルであることを印象付けたため、問題解決のためにバルメットを選択しました」と Södra Cell社 Mönsterås工場の技術プロセスマネージャー、Karin Dernegråd氏は言う。

バルメットは従来のパルプ工場の3次スクリーンを改造し、クリーナーを4次スクリーンに置き換えた。3次スクリーンにはスクリーンバスケットと希釈ベルトが追加された。さらに数多くのクリーナーが細かいリジェクトを精選するため1台の OptiScreen 精選スクリーンに置き換えられた。これらの改良によってアクセプトされるべき繊維の75%を回収できるようになり、現在一日当たりのアクセプト繊維損失は1トンとなっている。

1台のスクリーンで2ステージ

3次スクリーンに新しいスクリーンバスケットを追加する前は、スクリーンのリジェクト側端部に高濃度のパルプが溜まってしまい、それが濃縮を増長させていた。また精選スクリーンの後段のクリーナーを効率良く機能させるためにはスクリーン後に多量の水で希釈する必要があった。「N材の場合、ときによってはクリーナーを詰まらせないために多量の希釈水だけでは不十分でした。それは操業者がクリーナーを掃除するために多くの時間を費やしたということを意味します」と Dernegråd氏は言う。

新しいスクリーンバスケットはその下半分を2段目のステージのスクリーンとして使用することによりこの問題を解決した。統合された希釈ベルトが2つのステージに分けており、1段目のリジェクトを希釈し2段目への供給濃度を調整する。新しく追加されたスクリーンステージは新しいスクリーン、配管、モーター、チェストを追加することなくシステムに追加された。

「実際には3次スクリーンの2段目のステージは4次スクリーンとなり、それだけでアクセプトパルプの品質をかなり向上させました。さらに新しいOptiScreen精選スクリーンを追加したことでこれが実質5次スクリーンとなり、クリーナーを全て撤去することが可能となりました」とバルメットのスクリーニング&リファイニング製品セールスマネージャーの Annika Zetterlundは言う。

Karin Dernegård

「私たちは明らかに問題を抱えており、私たちは明らかに問題を抱えており、この問題についてバルメットと協議したときに彼らのスタッフが私たちにプロフェッショナルであることを印象付けたた め、問題解決のためにバルメットを選択しました」とKarin Dernegråd氏は言う

環境に優しい改造からの利益

「毎日これだけのアクセプト繊維を回収することで1年またはそれ未満の投資回収期間となります」と Dernegråd氏は言う。Dernegråd氏と Zetterlundは繊維損失の75%削減は収益においてプラスのインパクトを工場に与え、水の使用量も減るため製造がより環境に優しくなると同意する。

しかしこれらだけが利益ではないと彼らは言う。新しいスクリーンバスケットによってスクリーンルームの操業性が向上し、またクリーナーの掃除のための停止が無くなったことにより保守のための時間が減少した。このことは仕事がシンプルになったと操業者にも喜ばれている。「バルメットからのスクリーンルームの問題の解決法は非常に短時間で実操業になったにも関わらず、その結果を非常に喜んでいます」と Karin Dernegråd氏は言う。

Södra Cell社 Mönsterås工場について

スウェーデンの Södra Cell社 Mönsterås工場はSödraグループで最も大きいパルプ工場で、世界で最も大きいTCF(トータル塩素フリー)漂白パルプ工場のひとつであり、パルプ生産量は年間75万トンであり。

原料は4分の3強がN材で、約4分の1がL材である。木材の約半分が市販パルプとなり、残りの半分がエネルギーとなる。