Pratt Industries PM 17: エキスパートのトレーニングにより完璧なスタートアップを実現

2020年8月5日水曜日

Pratt Industriesは、2019年に Ohio州 Wapakonetaで新しい PM 17板紙マシンをスタートアップした。広範囲に及ぶトレーニングや、また Indiana州 Valparaisoにある Pratt PM 16マシンのまったく同じタイプの OptiConcept Mラインでスタッフのトレーニングを実施する機会を持てたことにより、スタートアップは大成功を収めた。

Expert training gets everyone on board

Prattはアメリカで 5番目に大きい段ボール製造企業で、個人所有の 100%再生紙および包装紙の企業としては世界最大であり、高度なスキルを持った 7,500名を超えるグリーンカラーの従業員が持続可能な板紙製造に取り組んでいる。

2019年に Ohio州 Wapakonetaにある Pratt Paper Ohio LLCが PM 17を立ち上げるより前、Prattでは Indiana州 Valparaiso PM 16工場で OptiConcept Mマシンを立ち上げた 2015年にすでに Valmet Learning Servicesで優れた経験を積んでいた。「バルメットが実施したトレーニングや事前トレーニングにより、Prattチームは短時間でマシンを稼働させることができました。私たちは、わずか 1日か 2日でオンリールさせ、それ以降は定期的なメンテナンスを除いてリールまで紙を通していました。」とPratt Industries 教育マネージャー Jay Hennessey氏は述べている。

それは完璧でした。Wapakoneta PM 17のスタートアップがこれまでで最高だったと思います。

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Pratt Industries 教育マネージャー Jay Hennessey氏

成功に向けた準備

2015年当時 Hennessey氏は Valparaiso工場のゼネラルマネージャーであり、PM 16を立ち上げたチームの一員として働いていた。この経験は、Wapakonetaでの新しいOptiConcept Mマシン立ち上げの準備のためのすばらしい基盤となった。「PM 17での私たちの目標は、安全で効率的なスタートアップを実行し、高品質のライナーと中芯を1日あたり 1,100トンまですぐに増やすことでした。2014年に Valparaiso工場 PM 16でバルメットを選択し、PM 17向けに同じマシンを購入しました。2台のマシンと 2つの工場はほぼすべての点で同一です。200マイル以内に 2つの同一の工場があることは互いにとって非常に大きなメリットです。」

良好なスタートアップは優れたトレーニングにかかっている

「従業員の教育とトレーニングは、工場のスタートアップに影響を与える上位 5つの成功要因のうちの1つです。」と Hennessey氏は話す。「企業は工場の建設に数億ドルを費やしているため、スタートアップや操業の開始が早ければ早いほど投資の見返りをより早く得ることができます。」

Hennessey氏は PM 17のトレーニングプログラムを作成し、最初の 6ヶ月に集中的なトレーニングを組み込んだ。新入社員の 1日は教室での 2時間の講義から始まり、その後 2〜3時間は工場での実務体験、また午後にはリラックスするための時間を設けた。新入社員は、ほぼすぐにValparaiso PM16マシンで作業することが許可された。Hennessey氏は次のように付け加えている。「彼らは幸運でした。実際稼働するであろう抄紙機をトレーニング中に使用することは非常にまれです。通常、実際に使用できるのは 2~3週間だけで、マシンがまったく異なる場合もあります。彼らは、マシンが操業するのとまったく同じように、マシン全体にも本当に慣れることができました。そして、トレーニング終了後、彼らは PM 17の建設とスタートアップの準備も手伝いました。」

「製紙業技術者」の育成

採用プロセスも少し異なりっており、採用者のほとんどは製紙未経験だった。Pratt Industriesはスタートアップの 12ヶ月前に Ohio州北西部から地元の人々を雇用し、その後集中的なトレーニングを開始した。「私たちの「製紙業技術者」のために、多様なスキルを持った優れたプロフェッショナルを採用しています。」と Hennessey氏は説明する。 「この採用形式は、1994年以来アメリカの Prattビジネスモデルに含まれています。PM 17については概念を少し練り直して定義しました。私たちは優れた人材を採用していますが、抄紙機や製紙分野に初めて接する方々です。先入観を持たず、学ぶことに意欲的で、物事を成し遂げたいと思っている人々を雇用しています。経歴が組み合わさることは、正しい秩序や物事を成し遂げることへの目標を作り上げます。このような投資によって成功しなければなりません。そして、私達は自社の新しい人材にも成功する機会を与えます。バルメットは私たちの計画をサポートし、成功のためには不可欠でした。」と彼は続ける。

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製紙の実践

バルメットの現地トレーニング

Hennessey氏が基本的なトレーニングを計画している間、エキスパートトレーニングに向けてバルメットに助力を求めてきた。バルメットは、生産ラインのスタートアップや操業のための現地での講義をプログラム終了時のトレーニングと組み合わせた。「私たちはバルメットのエキスパートを教育プログラムの「キャップストーン」として活用しました。バルメットのトレーニングマニュアルは抄紙機やワインダのトレーニングプログラムの基礎でした。受講者は、私のプログラムでは必要とする基本的な知識を学び、PM 16の現場作業では重要な実務を体験することができました。バルメットのエキスパートは基礎を強化し、点を結んで全体像を作り上げ、長年の経験をクラスで共有しました。そして、同じサプライヤーからトレーニングとマシンの両方を得られたことは、明らかに大きなプラスとなりました。」と Hennessey氏は話す。「そしてバルメットのプロセス制御は完全にマシンに統合されています。」

バルメットにはマシンの各部分についてトレーニングを行えるエキスパートがいます。

「製紙業技術者が学ぶことの多くは「話」や「経験」によるものであり、それを伝えられる「経験」は役に立ちます。」とHennessey氏は付け加える。 「たとえば、抄紙機の最も複雑な部分はおそらくプレスセクションです。その分野で優れた経験を持つ人がいること、それは非常に貴重なことです。誰もが、私でさえ、そこから何かを得ることができるでしょう。」

バルメットのエキスパートトレーナー

バルメットのトレーニングのもう 1つの重要な側面は、マシンのスタートアップをサポートした技術エキスパートとトレーニングを行った人物が同一だったことである。ウェットエンド、油圧、空気圧、オートメーション、マシンメンテナンスなど、さまざまな部分で固有のエキスパートによるトレーニングが含まれていた。「私たちはバルメットと緊密に協力し、チーム全体が教育とマシンをまとめる不可欠な要素でした。」と Hennessey氏は付け加える。

「スタートアップの間、バルメットのスタートアップチームもそこにいて、私たちの製造エンジニアとうまく連携していました。スタートアップチームもトレーニングを行い、たとえば、ヘッドボックスの技術エキスパートはヘッドボックストレーニングを行いました。バルメットにはマシンの各部分についてトレーニングを行えるエキスパートがいて、スタートアップのサポートにも来ていました。顧客である私たちにとって本当に助かります。」

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バルメットの Pekka Raitala(左)による油圧トレーニング

実用的な文書

カスタマイズされたトレーニングプログラムに加えて、Hennessey氏はバルメットに Wapakoneta PM 17のマニュアルを 1つの文書として提供するように依頼した。「バルメットはすでに PM 16でこれを行ってくれました。一ヶ所にすべてをまとめたトレーニングマニュアルを用意することで、それ 1つですべてを解決できます。そして、人々が実際に使用できるマニュアルを作成したことはバルメットの功績です。Valpoマニュアルは定期的に使用されています。」と彼は言う。「バルメットのマシンに問題が発生することはめったにありませんが、それでもトラブルシューティング情報を使用して知識と生産性を向上させています。人々はそれを使って物事がどのように機能するかの詳細を掘り下げることができるので、何を変えているのかがわかっています。私たちは、どの油圧作動油がどこに行くのか、圧力センサーが私たちに何を伝えているのかを知っています。そして、トラブルシューティングが必要になった場合でも、99%の確率で答えはマニュアルに記載されています。」

史上最高のスタートアップ

慎重に計画された採用とトレーニングをすべて行い、結果は素晴らしいものだった。PM 17は、いかなる課題や問題もなく、迅速かつ順調にスタートアップした。「それは完璧でした。2015年には Valparaiso PM 16のスタートアップがPratt史上最高であると述べましたが、2019年の Wapakoneta PM 17のスタートアップがこれまでで最高だったと思います。」と Hennessey氏は話す。

PM 17が稼働中の今、Hennessey氏はさらなるトレーニングを計画している。「もちろんです。 現在、すべてのPrattの工場を対象に短期集中トレーニングを開催しています。 また、バルメットやそのエキスパートトレーナーに、高度なスペシャリスト教育をお願いする予定です。」と彼は言う。

「Wapakoneta PM 17は非常に順調に稼働しており、工場の設計、建設、トレーニング、スタートアップ、操業に携わったすべての人々を誇りに思っています。」と彼は結んでいる。

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PM17での紙の最初のリール

共通の目標に向かって共に

バルメットのカスタマートレーニング スペシャリスト Pekka Raitalaは次のように述べている。「彼らは私たちにニーズを説明し、それが理にかなっていることに同意しました。たとえば、トレーニングやマニュアルなど、いくつかのものを 1つのパッケージにまとめたいと考えていました。」

「すべてが本当にうまくいき、またトレーニング施設も完璧でした。工場からわずか 15マイルのところにある社会人向けトレーニングセンターで行われました。」と Raitalaは話す。「また、メンテナンススタッフとオペレーター向けにいくつかのトレーニングも組み合わせました。通常、私たちは油圧とオートメーションについてメンテナンス担当者をトレーニングするだけです。しかし、お客様はオペレーターにもマシンについてすべてを知ってもらいたいと考えていたので、彼らもトレーニングに参加しました。」

「私がトレーニングセンターにいる間、実践的、理論的両方のトレーニングを行いました。」と Raitalaは話す。「全員がとてもやる気があったので、彼らを訓練することは喜びでした。そして、Hennessey氏と一緒に仕事ができて光栄だったと言わずにいられません。」

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バルメットの納入範囲には、ヘッドボックスからワインダーまで、幅広い自動化を備えた完全な OptiConcept M板紙生産ラインが含まれていた

カスタマイズされた連携

「私の役割は PM 17のトレーニングを調整することでした。スケジュール、計画、詳細を Prattや他の関係者と調整しました。」と、バルメットのカスタマートレーニングデザイナー Tuuli Luは述べている。「この事例を特別なものにしたのは、板紙マシンについてできるだけ幅広い理解を彼らの人員に与えたいという Prattの目標でした。」

「通常、オペレーターのトレーニングは主にプロセスの実行と操作手順に関するものですが、Prattは特にオペレーターに対する追加のトレーニングを希望しました。そこで、板紙マシンとワインダ、および油圧とオートメーションのトレーニングを組み合わせました。」と Luは話す。「オペレーター向けの実務トレーニングは、スタートアップの段階でバルメットの現場担当者の日常業務として組み込まれました。そのため、オペレーターは新しいマシンについてほとんどすべてを知っています。」

「私たちはお客様と一緒にバルメットのプログラムをカスタマイズしました。Prattとの連携とコミュニケーションは非常にうまくいき、お客様の期待に応えることに成功したと言えます。」と Luは結ぶ。