エネルギー効率および軽量化 - コンテナボード市場における主な課題

2015年7月31日金曜日

SAICA Paper社の産業ディレクターである Fernando Carroquino氏にコンテナボードメーカーが直面する諸課題、とりわけエネルギー効率、軽量化および持続可能性についての見解を述べていただこう。 SAICA社はリサイクルパッケージ紙の製造での世界的リーダーであり、1943年以来紙の製造を続けている。PM 11は最新技術を装備し、世界で最も先進的で持続可能なコンテナボードラインの1つである。これは、SAICAの経験豊富なチームが持つあらゆるノウハウをバルメットが取り入れて設計し、納入したものである。

経営の成功には差別化が絶対に必要である

「競争力のあるコンテナボードメーカーにとっての重要なファクターの1つは顧客のニーズを理解することです。私たちは製紙メーカーとして、顧客の必要な製品を生産できる必要があり、また出来る限り最高の効率で生産を行わねばなりません。私たちは何か違った特徴のあるものを生産し、低い生産コストかつ短納期で効率的なソリューションを提供できないといけません。つまり、このことは高度の柔軟性のある生産ラインを持つ必要があることを意味します。こうした理由から、私たちはパートナーであるバルメットにも同じ態度を要求しており、リスクを負い違ったやり方をして自ら差異を生み出すように求めます。」

常に変化するコンテナボード市場

「軽量化はアジェンダに載り続けるでしょう。坪量は減り続け、市場にこれまでより多くの軽量紙が現れることになると信じます。顧客からは包装紙の軽量化と輸送費の削減といった明確な要求があります。」

「市場が変わる別の要因としてオンラインショッピングの使用が絶えず増加していることが挙げられます。数年前、私たちは 20ユニット用の箱を使ったものでした。今では、人々はインターネットで購入し、しかも一度にたった1品しか買わないことから、1ユニット用に設計した箱が必要になっています。さらに、小売に出来合いの包装を用いるために印刷への要求も変化しています。そうした場合に、簡単に見分けられるブランドとして高品質の印刷を施した箱が必要となります。SAICAでは私たちの顧客要求をベースにした箱の開発チームを持っています。顧客はアイデアを1つ持ってやって来て、箱に必要なデザインをそのチームに準備させます。私たちは印刷、断裁、そして箱作りに必要なツールを持っています。こうして、その日のうちに顧客は私たちが提供できる新しい箱のデザインとテーラーメイド製品についての明確な案を手にすることになります。」

エネルギー効率、それは投資のための第一のファクター

「エネルギー効率は投資の決定を行うときの第一のファクターです。これは主に紙市場にとって極めて重要です。価格は低下してきており、生産コストは増加し、このギャップは年々高くなっています。主な生産コストはリサイクル原材料(OCC)とエネルギーに依存します。OCCの価格はマーケットで固定しているので、エネルギー消費を減らす必要があります。」

「第一に、安定性と走行性に優れていることが重要です。PM 11はこうした領域で改善しており、私たちはすぐに目標が達成されるのを期待しています。第二の点は、高い技術開発能力です。抄紙機は自動車のようなものです。もしもあなたが古い車を持っているのでしたら、燃費は高いです。しかし、今日では、あなたは非常に燃費の低い車を買うことができます。私たちの製紙ラインでエネルギー消費を減らす目的で最新技術の有用性を分析するためには、明らかにバルメットのようなパートナーが必要です。第三の点でありかつ最も重要な点は、技術サプライヤと非常に緊密な協調を行えるような深いレベルのノウハウを備えた熟練チームを持つことです。」

「自動制御システムを用いて個々の装置の計測を行う能力は、エネルギー消費を減らす鍵です。エネルギー消費を日々管理するためのオンラインモニタツールとしてバルメットのEnergyOperatorを使用します。」

「PM 11で最も重要なエネルギー効率エリアには真空システム、ギャップフォーマおよびフードがあります。ユールボックスをファブリックとともに最適化し、真空関連のエネルギー消費を削減できました。コンテナボード用のコンパクトなギャップフォーマは脱水が非常に優れているのが特徴であり、エネルギー消費を大きく削減するのに役立ちます。脱水は重力と圧力によって大きくなっており、このため私たちは他のフォーマタイプに比べて少ない真空を用いています。大きく改善したことは、バルメットがエリアごとではなく1つの要素としてフードを考慮し、フードベンチレーションを管理するやり方です。バルメットは私たちのフィロソフィーを変えました。今では、プレドライヤセクションとアフタドライヤセクションを一括して作業し、2つのユニットをまとめて分析します。」

持続可能性は重要な問題点

「持続可能性は私たちのような製紙メーカーにとって鍵となる課題です。PM 11は明らかに環境面で最も健全な生産ラインです。私たちは排出レベルに関するあらゆる目標を達成しました。水の消費量は良好であり、エネルギー消費の目標も達成しました。それでも、私たちは日々改善に努力しています。」

「英国 PartingtonにあるPM 11についての1つの有益なファクターは工場の位置が中心にあることです。私たちは地理的な位置が原因となる輸送コストと環境への衝撃を大きく減らしました。明らかにこれは持続可能性という点で適正な投資決定でした。」