バイオマス変換技術はバイオマスから多大な価値を創生

「私たちがバイオマス変換技術を研究しているのは、技術に対する愛だけが原因ではなく、世界が新たなソリューションを真に必要としているからでもありま す。このビジネス分野の推進力となっているのは、気候変動、エネルギー需要の高まり、エネルギー安全保障、それに農村福祉など、グローバルな手強い課題です。このために早急に必要とされているバイオマス変換ですが、ソリューションの一部にしかなることができません。」と、バルメットのバイオエネルギーを統括する Marita Niemelä科学(技術)博士は述べている。

NiemeläNiemeläは、バイオマスと関連の加工技術、ビジネス・コンサルティング、戦略立案、マーケティングや営業で目覚ましいキャリアを積んできた。Pöyryから加わり、バイオテクノロジーに関して数十篇の論文を発表しており、フィンランドにある Aalto大学の化学技術学部の講師も務めている。

既存技術に対する新鮮な視点

バルメットはその事業において、バイオマス変換とは、食品でないバイオマスをパルプ、紙、熱、電力、燃料、化成品や、複合材料のようなバイオベース材料などの市場価値のある商品にする持続可能な加工であると定義してきた。私たちは、木質バイオマス、再生紙、農業廃棄物、専用のエネルギー作物、可燃性分別ゴミなどの意味でバイオマスという言葉を使っている。

「わが社の処理工程と技術を用いたバイオマス転換により、お客様はバイオマスからより高い価値を得ることができます。わが社が現在もっている技術の良い例が、パルプ工場と発電プラントです。」 Niemeläは言い添える。「バイオテクノロジーは、私たちにとってすでになじみのものをさらに発展させ、私たちの技術の将来の可能性について新たな展望を得ることです。」

バイオマスは、特に紙・パルプ、砂糖やバイオ燃料、石油・ガス、化成品や発電産業部門に属する企業にとって新たな機会を切り開くのである。

木材利用の増強

バイオマス変換が紙・パルプ工場にとって決して目新しいことでないのは、森林資源から紙・パルプを作ることの真髄がバイオマス変換だからである。ではこれら企業にとって、バイオマス変換にはいったい何の利点があるのだろうか? その利点とは、短期的に見れば新たな機会と収益である。

紙・パルプ産業が現代の電子時代において課題に直面していることはご存知の通りであり、このため、これら企業は新たな収益源や、加工されたバイオマス1トンから創出される価値を最大化する方法を積極的に探し求めている。

「バルメットは、木材利用を増やすため、あるいは様々な廃棄物の流れを利用するための技術を提供します。わが社が目指しているのは、新しい紙にとどまらず、ガスやバイオ燃料のような再生可能エネルギー、リグニン素材の新製品やナノセルロース、複合材料やバイオプラスチックにバイオマスを変換することです。」と Niemeläは指摘する。「わが社はお客様のために常に新たなツールやプロセスを導入しており、新たな商機の開発に貢献しているのです。」

新たなアプローチの実際例には、バルメットの新技術である NTT製法によるティッシュペーパーの加工、より少ない材料で作る段ボール原紙やカートン用板紙、多層のカーテンコーティングを用いた特別用途向け等級の製作などがある。

イノベーションが効率を高める

バイオマス変換で重要なその他の要素には、コスト効率とエネルギー効率がある。エネルギー価格の高騰により、エネルギー消費量と操業コストにこれまで以上の注意を払うことがすべての工場にとって必要になっている。バルメットが開発した新たなイノベーションはすでに、紙・パルプメーカーの生産工程を効 率化しつつある。例えば、プレス時の乾燥度を高めてエネルギーを節約するプレスや、低濃度リファイニングに関する新たなプロセスなどである。

「わが社はバイオマス変換技術に心底取り組んでおり、新たなコンセプトを開発してそれを、価値のあるソリューションにしようとしています」 Niemeläは言葉を続ける。「そして、わが社の提供するもの全体は、新たな設備から改造、サービス事業までという従来の事業分野と全く変わりません。たとえば、やりがいある新技術分野では、サービス事業を立ち上げることの重要性が増していくと思われます。」

バルメットはその目標達成を確実なものとするために、ライフサイクル全体を通じて私たちのプロセスの生産性と操業度を改善する方法を探し求めているお客様と緊密な連携態勢をとっている。

バイオマス変換技術のいくつかの例

リグニンの分離による
新たな収益源

バルメットの LignoBoost プロセスは、パルプ液からリグニンを分離し、回収する。この技術は世界で初めて、米国ノースカロライナ州プリマスにある Domtarで商業的に設置された。同工場で産出されるリグニンの総量の一部を分離することで、パルプ生産能力の引き上げが可能になる。また、この新たなプロセスは、これまで回収ボイラーで燃やされていたリグニンから新たに、より収益性の高い製品を得ている。リグニンは、化石燃料の代わりとなる再生可能燃料として、また多くの産業において、新たなバイオ素材製品の出発原料として利用することができる。

 

より少ない繊維による
ティッシュペーパーの生産

メキシコにある Papel San Franciscoは現在、バルメットの供給するテクスチャード加工ティッシュの新しい生産ライン、Advantage NTT を設置中である。Advantage NTT はとてもふんわりとした柔らかさが特長の高級ティッシュペーパーを、エネルギー面でもコスト的にも効率的に生産する方法が売り物である。テクスチャード加工ティッシュを生産するこの画期的な技術により、繊維が最大 30%節約できる。