データを活用して優れたパフォーマンスを発揮

2020年4月21日火曜日

Mondiとバルメットは、Mondiの Syktyvkarパルプ・製紙工場の運転パフォーマンスを一段上のレベルに引き上げるために提携した。現在のパフォーマンス契約の中心となっているのはバルメットのインダストリアル・インターネット - VII(Valmet Industrial Internet)ソリューションの利用拡大であり、これによってデータをより有効に活用し、より強力的な作業方法が可能になる。

Mondi Syktyvkar optimizes cooking of three digesters and washing, oxygen and bleaching stages for the hardwood and softwood fiber lines

ロシアの完全統合紙パルプ工場である Mondi Syktyvkarは、ファイバーラインの運転効率を改善するため 2012年からバルメットの高度プロセス制御(APC)を使用している。バルメットのインダストリアル・インターネット - VIIソリューション契約により効率や機能がさらに有効となるため、この協力関係はさらに 5年間継続している。

インダストリアル・インターネット アプリケーションによりファイバーラインの最適化を継続

Mondi Syktyvkarは、非塗工上質紙用抄紙機 3台、段ボール原紙用抄紙機 1台、パルプドライヤ 1台に加え、木材置き場、パルプ工場、発電所、廃水処理プラントを運営している。木材から紙まで、Syktyvkarのサプライチェーン全体をカバーするには、すべてのプロセスを持続可能かつ効率的に設計、操業するための特別な配慮が必要である。

このアプローチをサポートするため、VIIソリューション契約の範囲はパルプ工場の 2つのファイバーラインをカバーしており、3つの蒸解釜の蒸解の最適化、および広葉樹ファイバーラインと針葉樹ファイバーラインの洗浄、酸脱、漂白工程の最適化が含まれている。

この継続的なパートナーシップにより、バルメットのインダストリアル・インターネット アプリケーションとバルメット パフォーマンスセンターの専門家によるリモートサポートを活用することで、さらなるパフォーマンスの向上を目指している。この契約のために選択されたソリューションは、VII for Pulp Quality(パルプ品質のための VII)とVII for Chemical Efficiency(薬品効率のための VII)である。

結果は期待できそうである。ファイバーライン全体の管理と蒸解の最適化により、当初の APCプロジェクトの経済的効果を上回る蒸解収率とファイバーラインの生産能力が最大化され、500万ユーロの薬品コストの削減につながっている。

ベンチマークによる明確な目標の設定

バルメットの膨大な世界規模のインストールベースを活用し、対象を絞ったアクションが将来の操業コストの削減や改善に向けての明確な目標を設定していることを確認できる。年に一度、バルメットの専門家チームは、工場の要件に応じてリモート専門技術者チームのサポートを受けながら、現場でのプロセス監査を実施している。プロセスと機器に関する年次監査に加え、契約には、最適化専門家によるプロセス分野に応じた複数回の現場訪問が含まれている。

改善のための共有ロードマップを使用して特定されたイノベーションと可能性については、カスタマーポータルの Opportunitiesモジュールで容易に追跡することができる。設備やプロセスの更新に関する長期計画は容易に追跡できるようになっており、予定通りに予算を達成することができる。

共有された職務遂行目標に向けての取り組み

プロセス性能に基づいた契約は、パートナー企業それぞれの中核能力において卓越した能力を発揮することへの信頼と自信を表している。Mondiにとって、これは、エネルギーと原材料コストの削減、プロセスの変動性の低減、品質と生産の最適化、環境パフォーマンスの向上を意味する。バルメットにとって、これはお客様が新たに満足することと、プロセスパフォーマンスへの投資拡大の機会を意味している。

Mondi-Syktyvkar.jpg

Mondi Syktyvkarはロシアの紙パルプ業界のリーダーの一つであり、同国内最大の製紙会社である。この工場の年間生産量は 120万トンを超え、オフィス用紙、オフセット印刷用紙、新聞用紙、段ボール紙、市販パルプなど、高品質で競争力のある製品を生産量している。