石巻工場では Valmet Air Dryer Nozzle Upgradeにより20%近いエネルギーを削減

2017年2月28日火曜日

石巻工場は日本製紙の基幹工場であり、6台の抄紙機、2台のオフマシンコーターを有し、年間 86万トンを生産。微粉炭ボイラーと併設して、2基の黒液回収ボイラーと 1基のバイオマスボイラーにて主要なエネルギーを供給している。N6抄紙機は、2007年に微塗工紙と A3コート紙の生産を開始した。

石巻工場の N6抄紙機は、軽量コート紙を日産 1,005トン生産する日本最大級の抄紙機の一つである。2011年、石巻工場は東日本大震災による津波で大きな被害を受けたが、現在はこの震災から復旧している。工場の最新の改善工事として、N6抄紙機の省エネルギーを目的にエアドライヤブローノズルの改造を行った。

少ないエネルギーで多くの乾燥能力

N6抄紙機は、コータ後に従来のフロート式エアブローノズルを 3台配置していた。常用抄速域でのエアドライヤの乾燥能力限界およびエアドライヤ内量耳部にカラー粕由来の欠陥や断紙問題を抱えていた。

Hideyo Yamaguchi, Assistant Manager of the Paper Production Department at Ishinomaki Mill

バルメットは新しいノズルの導入により省エネが得られるとの情報を提供した。ターゲットは、乾燥効率を改善させ省エネを図ると共にエアドライヤ内部での耳部の走行性安定を図ることだった。

新しい Valmet Air Dryer Nozzle Upgradeノズルは、2014年 9月に設置された。石巻工場としては、10%のエネルギー消費を減少させることを当初の目標としていたが、それをほぼ倍増したしたので当初の期待を大きく超えた。石巻工場 製造部の山口 英世氏は「新しいエアノズルは、乾燥能力向上とエネルギー消費を削減させました。」と述べている。

高度なエアノズルドライヤー技術

市場で最も先進的なノズルとして、バルメットの Valmet Air Dryer Nozzle Upgradeは、従来のフォイルノズルに比べて乾燥能力が 50%増加し、フロートタイプノズルでは25~30%の乾燥能力が増加している。革新的なエアドライヤノズル技術は、排気エアから失われるエネルギーを減少させ紙匹に効率良くエネルギーを伝達する。

乾燥効率を改善させエネルギーを節減

山口氏は、この結果に満足している。「改造工事後、エアドライヤは、乾燥効率改善によって 20%近い省エネを達成しました。シート走行性も改善し、トップとボトムのノズル間隔が、旧タイプのものと比べ 20~55%狭くすることができました。 私たちは乾燥能力の向上を利用して生産能力を向上させることを計画しています。私たちは、設置時のバルメットとの協力関係に満足しています。」 と述べている。