Stora Enso社 Ingerois工場では嵩をセーブするためにアクア冷却カレンダリングを使用

2017年4月24日月曜日

高品質でより強くより安い軽量板紙: これは板紙メーカーにとって現実の要求である。市場は板紙製品にいくぶん矛盾した性質を求めている。フィンランドにある Stora Enso社 Ingerois工場は、数十年間にわたって軽さと嵩を向上させてきた。アクア冷却カレンダリングは工場の目標である軽量化に役立った。

Stora Enso社の折畳み箱用板紙の製品ブランドである Tambriteは常に市場のニーズを満たしてきた。Tambriteの長い歴史は、これが軽量化に焦点を合わせた最初のものであったことから、要求を生み出す歴史でもあったことを意味している。バルメットの新しいアクア冷却カレンダリングは Tambriteのさらなる軽量化に向けた別の一歩である。

Tambriteの物語は魅力的である。30年前に設けた主目標が同じまま残っている。第一に、利益性がありかつパイオニアであること。さらに、持続性があり市場のニーズを満たすこと。軽さは、 Stora Enso社 Ingerois工場がその Tambrite折畳み箱用板紙を開発するにあたっての一番重要な特徴であったし、今もそうである。

答えを得るための困難なプレー

Ingerois工場は、現状を単に維持するだけの決定は決して行わず、常に Tambriteを改善する方法を探し求めている。今回の焦点は板紙製造工程にあった。工場は、ヤンキー工程とヤンキーシリンダを、生産性と速度の制約がもっと少ない工程に置き換えることを望んでいた。嵩をセーブする新しいカレンダ処理方式を見つけ、ヤンキーシリンダをバイパスすることに決定した。

時として、答えは直ぐ前にありながら、そこに達する手段を見つけるのが困難な場合がある。「Järvenpääにはカレンダリングのテストを行うパイロット施設があります。私たちは、パイロットカレンダリングがいつも通常の工場規模の生産よりも良好な嵩を与えるのを知っていました。つまり、ウェブが冷えれば冷えるほど、嵩は良くなります。」と、バルメットの開発メネージャである Mika Viljanmaaは言う。水と空気でウェブを冷却するといったアイデアを思いつくにはしばらく時間が必要であった。

解決策を一緒に見つける

シニア開発エンジニアの Jari Ilomäkiがプロセスのモデル化を行い、数回のパイロットテストを実施した後、Viljanmaaは Ingerois工場の生産マネージャ Antti Veitola氏および製品開発エンジニア Erja Nevanperä氏とこのアイデアを共有することに決めた。板紙抄紙機メーカーは板紙製造者の協力を必要としていた。

若干の追加の計算とパイロットテストを行った後、Stora Enso社の職員に新しいプロセスが機能することを信じてもらうのにわずかの時間しか要しなかった。「パイロットトライアルの結果は信頼できるものでした。ウェブの温度と嵩の間には明瞭な相関がありました。」と Veitola氏は説明する。「最終チェックとして、私たちはこの効果を比較するため数々の異なったパイロットトライアルを実施しました。」と、彼は続けた。確信を得た後、残る問題はできるだけ早く物を作ることであった。

一緒にもっと軽いものを作ろう

初のアクア冷却カレンダリングシステムは 2015年秋に Ingerois工場に設置された。新規に開発した装置にはいくつかの小さな課題があった。「研究開発プロジェクトでは、いつも予測のできない問題が起こります。しかし、すべての問題は解決しました。」と Viljanmaaは説明する。「Stora Ensoやバルメットのような大会社は、R&Dプロジェクトが通常のプロジェクトのモデルに組み込まれており、ときにはこれは理想的な運営方法ではないことがあるので、余分の課題に直面するかもしれません。しかし、人々が一緒に働くことで、物事は非常にうまく進みます。」と Veitola氏は言う。

「私たちは嵩のセーブに関する正確な数値というよりは潜在的能力について話しており、明瞭な結果に満足しています。結果は、基本的には問題とするプロセス条件でのウェブ冷却の度合いに依存します。」と Veitola氏は説明する。

Tambrite折畳み箱用板紙は軽さと剛性の性質を向上させてうまく前進する。