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トレーニングによる垂直立ち上げ

スウェーデンの SCA社 Obbola工場で新しい蒸解プラントが建設された時、シミュレーターを使ったトレーニングが重要な役割を担った。このトレーニングにより、垂直立ち上げが達成された。

SCA社 Obbola工場の新蒸解プラント建設プロジェクトの背景には 1962年に設置されたバッチ蒸解プラントの腐食の進行があった。「我々には 2つのオプションがありました。腐食の進んだバッチ釜の更新あるいは新しい蒸解プラントの建設です。」プロセス担当プロジェクトマネージャー Erik Olsson氏は話す。

「最終的にバルメットの CompactCooking G2を採用することを決定しました。 CompactCooking G2はエネルギー消費の観点から最も優れたプロセスであり、将来の増産も可能となるプロセスであったため、その採用に至りました。これらの 2点は我々にとって非常に重要であり、生産、プロセス両面で確実な提案を採用する必要がありました。蒸解プラントは約 60年は運転が継続されます。したがって、将来を見据えて小さすぎる判断はしたくありませんでした。」と、蒸解設備プロジェクトマネージャー Mats Persson氏は続ける。

パルプ品質も作業環境も改善された。「品質面の顕著な改善は引き裂き強度の改善です。」とOlsson氏は言う。騒音に関し、作業環境は大幅に改善された。騒音の反響は下がり、臭気は大幅に改善された。

生産量の新記録の達成

2015年10月21日、新蒸解設備が立ち上がった。立上げは順調で、24時間以内に適正な品質のパルプが製造され、抄紙機に送られた。5日後には生産量の新記録が記録された。Persson氏は続ける。「垂直立ち上げの一つの要因として、アドバンスコントロールシステム(APC)への切り替えが立上げ後間もなく行われたことが挙げられます。」 Olsson氏も同意する。「立上げ2日後には、ほとんどすべての制御が APCの下で運転されていました。最適な APC制御を達成するためにはチューニングが必要ですが、その作業もスピーディーに行われました。」「最適な操業条件のもとでは 700 - 800トンのクラフトパルプの生産ができます。我々は現在、工場全体を通して、安定した操業のための条件の確立に努めています。工場全体を通じての最適化には課題が多くありますが、徐々に状態は良くなっています。」 Olsson氏は言う。

オンライントレーニング

連続蒸解プロセスは全オペレーターにとって、新しいプロセスであったため、多くの努力がトレーニングに費やされた。累計 144人がオンライントレーニングに参加した。トレーニングは新設備の基礎的な内容に多くを割いた。「保守担当者、操業担当者のすべてが受講しました。オンライントレーニングは、これらすべての参加者を従来の方法でトレーニングするコストと比較しても多くはかかりませんでした。」 Persson氏は説明する。トレーニングはいくつかのステップに分かれており、受講者の習熟度を確認することができた。WebAcademyによるオンライントレーニングはオペレーター各自が時間のあるときに自由にアクセスし、受講することが可能で、何度でも繰り返し受講することができる。「トレーニングは最後にテストがあり、それに合格しないと終了しません。私はこのような構成が気に入っており、機器に関する知識を深めることができました。」オペレーターの John Eik氏は言う。「トレーニングの資料はいまだに使用しています。オペレーターは状況を確認するときや機器が通常に運転されているかを確認するために、時折、各自でログインし、資料を確認しています。また、新しいオペレーターはトレーニングを受講しています。」 Olsson氏は続ける。

現実的なシミュレーターは大いに役立った

クラスルームトレーニングはバルメットのトレーナーの指導のもと行われた。「トレーナーは十分な知識があり、質問事項に対して、明確な回答が得ることができました。」 Erik氏は言う。

シミュレータートレーニングも含まれており、非常に役に立った。「シミュレータートレーニングは非常に役立ちました。まず、事前に適切な確認をすることができました。第二に FATはとても有益でした。DCS, APCともにシミュレーターで確認ができました。この FATでは、従来の FATと比べより多くのことに気付くことができ、非常に重要なテストでした。我々は立上げ前に発見されたプログラム上の問題を解決することができました。」  Olsson氏は説明する。「シミュレーターはまた、事前のPIDの調整も可能としました。我々はこのシステムにより、2 – 3週間は節約できたと感じています。」  Persson氏は続ける。

シミュレーターでは不調時の対応を学ぶことができ、新入社員教育にも使うことができる。また、夏の臨時職員の教育にも使うことができる。「シミュレーターは現実的な立上げ、停止などの作業を体験することができます。オペレーターがシミュレーター上で進んで体験することが何よりも重要です。」 Olsson氏は言う。John Eik氏は続ける。「シミュレーターは例えば、停電後の状態からどのように立ち上げていくかを学ぶことができます。何をすべきか知ることができるのは重要です。」

トレーニング時間

プロジェクトが始まる前に、プロジェクトチームは操業経験を共有するために他の工場を訪問していた。その結果、立ち上げに関してのトレーニング時間を増やすことが決定された。「このプロセスを学ぶのに1ヶ月は短すぎました。オペレーターはシフトの組み合わせによっては1 - 2週間、トレーナーと顔を会わせていましたが、その間オペレーターはプラントを動かすことに忙しくしていました。その時我々は適切なトレーニング時間を事前にとることの重要性を認識しました。一連のトレーニングは我々にとって、大きな助けとなりました。」 Persson氏は語った。