Kuopion Energia社は約束を実行

2016年11月23日水曜日

数年に亘る大規模な投資計画の最終段階で、Kuopion Energia Oyは将来への自信を掴んだ。彼らのHaapaniemi CHP発電所は、バルメット製ボイラー、エアーエミッションコントロール、およびオートメーション技術の真のショーケースである。

2016年は、東フィンランドのKuopio向け電力および熱供給の製造会社である Kuopion Energia社の創立110周年の年である。彼らは環境への責任を持ち最新のエネルギーサービスを供給しており、また約束を遂行している。

「Haapaniemi発電所への投資の必要性とその近代化は、1972年稼動の微粉泥炭燃焼の Haapaniemi 1号がそのライフサイクルを終えるときから始まりました。バルメットの価格と技術は私たちの基準を最も満たしたので、私たちの新しい多種燃料燃焼パワーボイラーとして採用しました。」と話すのは Kuopion Energia社 Haapaniemi発電所のダイレクターである Peter Seppälä氏である。

Peter Seppälä

循環流動床技術(CFB)に基いた 149 MWthパワーボイラーである Haapaniemi 3号は 2011年末に稼動した。本ボイラーは多様な燃料を使用出来るフレキシビリティーを持った設計となっている。「泥炭に加えて主に森林残渣のバイオ燃料を使用することが出来ます。私たちの最初の目標はバイオ燃料の使用をゆっくり増やすことでしたが、泥炭の入手が困難であったため最初の年からバイオ燃料を最大限使用することとなりました。」と Seppälä氏は続ける。「このボイラーでの私たちの経験は良好で非常に信頼性が高いということです。燃料配合は多様で、夏場はよりバイオ燃料を使用し、冬場はより泥炭を使用しています。」

エミッション低減のためのボイラー変換

数年後、1982年稼動の泥炭燃焼用 Haapaniemi 2号に焦点が移った。産業排ガス指令(IED)によるエミッション規制が 2016年1月から根本的に厳しくなり、何かしらの対策を採る必要があった。「私たちは2段階でこの投資を実現することを決定し、最初は NOx対策、そしてその後に SOxとダスト対策を実施しました。最終段階まで私たちは2つのオプションを持っていました。それは、ボイラー本体を流動層に変換するか、Low-NOxバーナーを設置するか。」 Seppälä氏は説明する。「ひとつの重要な要素として、好ましい変換は森林残渣を使用出来ることより、トータルコストの低減につながります。投資コストは Low-NOxバーナーより高くなりますが、長期的には利益率は改善されます。」

従って、2013年にバルメットは Haapaniemi 2号を流動層に変換した。供給範囲はボイラーハウス内の圧力容器の改造、エアーシステム、アッシュおよび燃料システム、新しいスーパーヒーター、エコノマイザーが含まれる。変換後、ボイラーの NOx排出レベルは要求レベルに低減された。

Kuopion Energia

排ガスからの無料の熱

Haapaniemi 2号の SO2とダスト排出に対応するため、Kuopion Energia社はバルメットから排ガススクラバーを購入した。2015年に納入したものは煙突と排ガスファンの最新化、および既設電気集塵機のサービスライフの延長であった。これらの投資により SO2とダスト排出の低減が図られ、現在は厳しいIEDの規制値をクリアしている。

排ガススクラバーによる追加のメリットとして熱回収があり、これによりプラントのエネルギー効率と地域への熱供給能力の大幅な改善が得られた。Seppälä氏によると、最大能力での排ガスからの熱回収は 60 MWであり、年間のエネルギー量として約 200,000 MWhに相当する。この無料の熱容量により Haapaniemiでの必要な燃料の量を低減し、ピークロード時の重油燃焼による熱と一部代替が可能となる。

1つのオートメーションシステムによるすべての運転

Haapaniemiでのすべてのプラント運転はバルメットのオートメーション技術によりコントロールされている。Kuopion Energia社はパワープラントオートメーションの先駆者であり、80年初期に Haapaniemi 2号向けでハイテクオペレーターインターフェースと一緒にデジタルオートメーションシステム-Damatic Classic-を設置した世界で最初の工場の一つである。2005年、システムはバルメットDNAにアップグレードされた。

Control room

「Haapaniemi 3号向けのオートメーションを選択するときに、Haapaniemi 2号と同じシステムによりコントロールすることが、1つのコントロールルームから操作出来ることより操作性、コストからも有利でした。」 Seppälä氏は指摘する。調和したパワープラントのオートメーションにより少ない予備品が可能となり、メンテナンス的にもメリットがある。

バルメットDNAオートメーションシステムに加えて、バルメットはプラントのバランスのための安全システム、Skoda製蒸気タービンのコントローラー、および電気集塵機用コントローラーを Haapaniemi 3号向けに納入した。最適な方法で燃焼プロセスを運用するため、オートメーションシステムはバルメットの Advanced Control Solution、FBB Combustion Optimizerと補完されている。同様なアプリケーションがボイラー能力の最適化のためにも使用されている。スーパーヒーターの腐食コントロールのために Haapaniemi 3号はバルメットの FuelDiet KCl Corrosion Solutionを採用している。

一体化されたオートメーションのメリットを充分に得るために、Kuopion Energia社は地域暖房プラントのオートメーションシステムを近代化した。バルメットは時代遅れのオートメーションシステムをバルメットDNA技術で 6基の地域暖房プラントと3基の地域暖房コンテナー、11基のポンプステーション向けにリモートコントロールシステムに変換した。新規の個別のサブシステムの大半が既に Haapaniemi発電所のオートメーションシステムに接続されている。

Kuopion Energia, site

すべて未来に向けて

Seppälä氏によると、Kuopion Energia社は未来に向けて自信を持っている。高いプラント性能を確保するため、Kuopion Energia社はバルメットと排ガススクラバー、ボイラー、およびオートメーションに関して開発合意にサインした。