より良い方法を見付けて前進

2014年10月27日月曜日

「Dong Ilのサバイバル戦略は、新技術を採用し、常に継続して改善を図ることである」と説明する Dong Il Paper 副社長 Jin Doo Kim氏

「競争力を獲得するには創造的な発想が必要です。最初に新しい技術を採用するのは市場であなたの製品を差別化するのに役立つ勇敢な戦略です。しかし、最初であることは永久に続くものではありません。そのため日々良い方向に前進しなくてはいけません。」

これは、韓国 Dong Il Paper副社長、Jin Doo Kim氏の談である。Dong Ilのサバイバル戦略は新技術を採用し、つねに継続して小さな改善を図ることである。「私の考え方はシンプルです:もしもあなたが将来も市場で生き残りたいならば、違いを出さねばなりません」と Kim氏は説明する。「私たちの会社は大資本に頼ることはできないので、私たちはより賢くならねばなりません。語るのは簡単ですが、世界で違いを出すのは困難な仕事が必要です。私は社員が新しい事を探すよう激励したく思っています。」

Dong Ilが取り掛かった最新プロジェクトはバルメットの最新ヘッドボックス技術に投資することだった。Wolsanの PM 1 はウェットエンドを改造し 2014年1月に再稼動した。バルメットの納入範囲は、主なコンポーネント、すなわち中層用に革新的な新しい2層抄きヘッドボックス(英文)と真空アシストフォーミングボードを含んでいる。Dong Il は改造を行って前進する大きな自信を持っていた。というのは、新型のヘッドボックスは最初の新技術ではなかったからである。Dong Il とバルメットは既に10年以上の間協力関係にあり、このことは、DongIlが韓国市場で競争上の優位性を確立する助けになった。

新しいアクアレイヤリング技術

「私たちは幸いなことにより良い品質のライナボードを求める要求度の高いお客様もっています。」 Kim氏は説明する。「しかし、原材料として OCC を用いることは必然的に品質の変動を含みます。私たちは最終製品からできる限り多くの変動を取り除きたい分けです。こうした困難な問題を解決するためには、私たちは今何か新しいものを必要とすることを悟りました。そうでなければ、より良い繊維を使うとか、もっと高価な薬品を投入するとか、もっとリファイニングを行い、もっとエネルギーを消費するとかによって、単純にコストを増していたことでしょう。」

Finding a better way forward

その解はバルメットのOptiFlo Fourdrinierヘッドボックスであり、その特徴は新しいアクアレイヤリング技術(英文)である。この斬新な解決策は優れた層被覆、優れた CDプロファイル、およびストリークやタイガーストライプのない優れた地合を提供する。アクアレイヤリング技術は、層を安定化させるヘッドボックスのウェッジに薄い水の層を用いて層被覆を確実なものにする。また、新しいレイヤリング技術は、もっと効果的なウェットエンド澱粉の投与方法、すなわち、澱粉の層間への供給を可能にする。これによって化学的に最適な供給ポイントを与え、澱粉との相互作用を活性化し最終製品の強度を改善する。

少ない澱粉

Jin Doo Kim氏は、新しい VacuBalance フォーミングボード(英文)と組み合わせた新しいヘッドボックスに満足している。新技術が有益であることが判明し、工場は最終製品の強度の飛躍的な向上を既に目にしている。「従来の技術とは違って、澱粉をアクア層に供給するとき澱粉供給の急速な応答を測定できます。どちらの場合も圧縮強度は 15%改善できます。しかし、アクア層では澱粉の必要量はほぼ 30%低減できるのです。化学的に困難なプロセス条件でさえも、この技術からはすばらしい結果を生み出します」と Kim氏は述べる。新しいタイプのレイヤリングは費用節減のために品質と強度を調節することができる。Dong Il は原材料を最適化するテスト、例えば機能性添加剤とか層間にリジェクトを入れるといったことを実施してきた。「この技術は多くの潜在能力を持っています。そして私は、アクアレイヤリングの利益を活用するための理想的な組合わせはまだ見出せていないと考えています。強度を維持しながらコスト節減を実現できるのです。」

協力関係の力

「私たち Dong Ilは、バルメットと共同作業をすることで作業者のスキルが向上したと信じています。私でさえも成長し学習しましたよ!」と Kim氏も笑いながら語る。「バルメットには、製紙技術に関するどのような問題であっても常に解決できるような深い理解を有する技術者がいます。」 Jin Doo Kim氏の説明では、何年にもわたって工場は極めて大きな技術的飛躍を行ってきた。彼らは400 m/分で走る小型マシンを買い入れることからスタートした。 そしてバルメットの助力を得て800 m/分で走らせる目標を立てた。「韓国市場で誰もがこれで良い結果が出ると思ってくれたとは考えていません。彼らは皆、投資が大き過ぎて、目標は達成不可能だと信じています。」と Kim氏は述べ、「スタートアップのほんの2週間後に 800 m/分に達しました。そして、機械をたえず改良し、今や 1,100 m/分で運転しています。生産は日産 350トンから日産 1,300トンに成長しました。これはバルメットのサポートを得て達成できたわけです。私たちはお互いに堅い信頼関係を築きました。バルメットとともに1つのプロジェクトで働くならば、間違いはありません。」

改造の後、Dong Il Wolsan工場はより低いコストで高品質のリサイクルライナを製造

明るい未来を作る

前進するというのは Dong Il では基本的な価値観である。「私は未来に向けて準備するために最善を尽くします。現在、私たちは韓国でナンバーワンですが、前進を続けます。」とKim氏は語る。「私たちは韓国市場で年間 100万トン生産します。そして数年後の目標は生産量を 50%増加させることです。」  Jin Doo Kim氏はまたこの産業の複雑さと顧客ニーズの変化を知っている。紙は多くの包装材料のうちの1つである。そして、ガラス、プラスチックおよび金属と競争しなくてはならない。「繊維ベースの材料が産業の 30%であり、30%強がプラスチックです。繊維ベースの包装が占める割合は毎年低下しており、プラスチックの生産量は増加しています。」

「これは目下の世界的な傾向ですが、なぜか? プラスチックや金属と競争するためには、水に対するバリアのような機能層を持った繊維包装を作る必要があります。そして、私たちは2つのベスト要素であるリサイクル性と製品の機能性を結合させることができます。これらのすべては異なる考え方をすることと開拓者魂を持つことに繋がります。非常に大きな潜在能力があって、生き抜くのに役立つ新しいコンセプトを積極的に開発すべきであると、私は信じています。躊躇せず未来への視野を開くことは重要です。」

アクアレイヤリング技術を用いた OptiFlo ヘッドボックス

斬新なアクアレイヤリング技術(英文)を取り入れた新しい OptiFlo ヘッドボックスはたった1台のヘッドボックスとフォーミングユニットを用い、きわめて層被覆に優れた2層シートを製造できる。アクアレイヤリング技術は、層間純度が鍵となる最も困難だがやりがいのある層別ソリューションのために開発された。これはまったく乱れのない純粋な層状構造を形成し、強度特性を飛躍的に向上させた。

新しいアクアレイヤリング技術は、ヘッドボックスの1つのウェッジに薄い水層を使用し、層を安定化させ、各層が合わさりながら均一フィルムを形成する。また、紙料層どうしの混合を防ぎ、層間に機能性のある添加剤を供給できる。

このタイプのレイヤリングは品質、とりわけ強度の調節を可能にする。例えば、異なった紙料品質、より安価な原材料および層間に用いるウェットエンド添加剤を使用することでコスト節減を達成できる。さらに、1台のヘッドボックスからなるフォーミングセクションのみでレイヤリングが行えるので、この投資はコストとエネルギーの両面で効果的である。